千葉市美術館『ミュシャと日本、日本とオルリク』見どころと混雑状況
そのため、展示は琳派、浮世絵から始まります。酒井抱一や浅井忠、神坂雪佳から北斎の富嶽三十六景『神奈川沖浪裏』や『凱風快晴』もありました。見ていると確かに琳派の意匠はミュシャのデザインに通じるものがあるように思えてきます。
それにしても出だしからすでにかなり贅沢です。この辺は千葉市美術館のコレクションを中心に構成されており、千葉市美術館ならではの展示という自信を感じました。そして展示はチェコのジャポニスムへと進み、いよいよミュシャです。『ジスモンダ』『ハムレット』『モナコ・モンテカルロ』等々、有名な作品が並びます。じっくり鑑賞。線の美しさにうっとり。今回のミュシャの中では『羽根』『桜草』が私の一推しです。女性の髪の流れやドレスの流れの美しさに見とれるばかり。 その次のコーナーではミュシャの作品とミュシャから影響を受けた日本の作家の作品の展示です。『みだれ髪』藤島武二や三越呉服店のポスターの杉浦非水、樋口五葉などが並びます。ミュシャの影響を随所に感じながら、展示はオルリクとオルリクに触発された作家へと続きます。
渋谷の展示ではミュシャ→日本への影響がクローズアップされていましたが、この展覧会を見ると日本→ミュシャという流れも見えて、よりミュシャを立体的に感じられるようになりました。地方の美術館ですが、さすが千葉市美術館ならではの企画だ、と自慢に思える内容だったと思います。
余談ですが今回の展示で今まで知らなかった作家の中で織田一麿、タヴィーク・フランチシェク・シモン、ヴォイチェフ・ブライシク、ヴァレンティン・ヘルディカの作品が素敵で、気に入りました。彼らを知ることができたのも収穫でした。これからチェックしてみたいと思います。
《開催DATA》
場所:千葉市美術館(最寄り駅:JR千葉駅より徒歩20分※バスもあります)
会期:2019.9.7~10.20
時間:10:00~18:00※入場は17:30まで(金・土20:00まで※入場は19:30まで)
ワタシの鑑賞日:令和元年10月5日(土)15:20~16:40(鑑賞時間80分)
千葉市美術館『メアリー・エインズワース浮世絵コレクション』見どころと混雑状況
▲会場前の様子です
アメリカ人のメアリー・エインズワースさんが明治39年(1906)年、39歳の時に来日して浮世絵に出会い、以後25年に渡って収集したコレクションの初里帰り展ということで、世界的に希少な初期の浮世絵、はじめ有名作品多数ありとのふれこみでしたが、ここまで期待はしていなかったんです。
しかししかし、菱川師宣、北斎、歌麿、写楽もありました。そして広重!メアリーさんは広重がお好きだったのか、ものすごく充実してました。日本橋朝の景、蒲原夜の雪、亀戸梅屋舗、大橋あたけの夕立もありましたし、私の大好きな猿わか町よるの景もあって、大興奮でした。北斎も富嶽三十六景シリーズや初期の作品もまあまああり、北斎好きにも楽しめる内容だったと思います。
千葉市は5/26で終了してしまいましたが、この展覧会はこれから巡回します!静岡市のみなさん、大阪市のみなさん、少しでも興味がある方は絶対に出かけてください!!行かないと後悔しますよ~(^O^)
▲『日本橋朝の景』記念撮影スポットにて
国立新美術館『ウィーン・モダン クリムト、シーレ世紀末への道』見どころと混雑状況
《鑑賞メモ:混雑情報など》
この日は、10:20頃会場に到着。チケットを買う列が少し出来ていたので並びました。だいたい15分くらいで買え、10:30過ぎには会場へ。その後はだいたいスムーズで、会場内もガラガラというわけではありませんが、最初から最後までストレスフリーに鑑賞できました。会場を出た11:30前頃にチケット売り場を通ったところ、むしろチケット売り場の列は短くなっておりました。会期も長いせいか、コアなユーザーが頑張って早起きして開場と同時に来て朝の混雑を作っていたようなので、この展覧会はむしろ、ゆっくり出てきた方が良かったかもしれません。
《ワタシの感想》★★★★★
“クリムト”に誘われて足を運びましたが、この展覧会は絵を鑑賞するというよりは、世紀末のウィーンの空気を体感することに主眼を置いた展覧会でした。そのため、絵のチョイスも当時の空気感が感じられるものが中心になっていて、観ているうちにタイムスリップしたかのような錯覚におそわれる、そんな感じの展覧会です。
例えば、シューベルトの肖像画(ヴィルヘルム・アウグスト・リーダー1796-1880みんながシューベルトと言えば思い浮かべるあの絵です)があったのですがその横にはシューベルトが使っていた眼鏡が展示されていたり、メッテルニヒの使っていたアタッシュケースの展示の横には、そのアタッシュケースと思われるものが描かれている絵が展示されていたり…まるでその現場を目的としたような感覚になります。
世紀末とオーストリア王家ハプスブルク家の終焉を同時に迎えようとしていたウィーンは芸術や建築、工芸などで新しい動きが起こり、その象徴としてのクリムトやシーレの絵も今までになく、その背景を感じられ、立体的に迫って来たように思いました。
先日、上野の東京都美術館で開催されているクリムト展も観ましたが、絵の描かれた時代の空気まで体感できた点からワタシ的にはこちらに軍配をあげたいと思います。
《開催DATA》
場所:国立新美術館(最寄り駅:東京メトロ千代田線乃木坂駅青山霊園方面改札6出口)
会期:2019.4.24~8.5
時間:10:00~18:00(金・土20:00※7・8月は21:00まで)
ワタシの鑑賞日:令和元年5月19日(土)10:30~11:15(鑑賞時間45分)
東京都美術館『クリムト展ウィーンと日本1900』見どころと混雑状況
▲会場内写真スポットにて 『女の三世代』と一緒に写真撮影できます。
《鑑賞メモ:混雑情報など》
《ワタシの感想》★★★☆☆
《鑑賞DATA》
▲すごい行列ができている入り口前の様子国立新美術館『トルコ至宝展 チューリップの宮殿トプカピの美』見どころと混雑状況
▲会場前の様子です
《鑑賞メモ:混雑情報など》
ワタシにとってトルコは大好きな国のひとつで、卒業論文も『ムスタファ・ケマルとトルコの近代化』だったくらいなので、もちろん行かねば、と思って出かけたのですが、ワタシ以外にそんなに行きたい人がいるのか、とあまり混雑を心配しておりませんでしたが、甘かったです。チケット売り場にはやはりありました、行列。だいたいチケットゲットまでに30分くらいだったでしょうか。会場内もまあまあの混雑ありました。目玉の宝石を惜しげもなく使ったターバン飾りやエメラルド製柄の短刀など、宝石キラキラの展示物の前は人だかりがあり、目の前で見るには少し待つ必要が。でも朝早かったせいか、そうした混雑スポットをうまいこと乗り切って進んで行くと、あとはスムーズに見ることができるくらいな感じでした。
《ワタシの感想》★★★☆☆
実は2003年に、今回と同様、トルコ文化を紹介する展覧会が東京都美術館で開催されたことがあって、もちろん、足を運んだわけですが、そのときの宝石キラキラの展示物が、量質ともに本当にスゴかったんです。見たこともないくらい大きなエメラルド、ダイヤ、ルビー…そんな宝石が日用品や武器に惜しげもなく使われていて目がチカチカするほど。警備員の数もハンパなく、後にも先にもあんなに警備がすごかった展覧会の記憶はないくらいで、産業革命前までのトルコの国力がどれほどスゴく、ヨーロッパの人々を恐怖に陥れたその力を身を持って体感した…そんな展示だったんです。
会期:2019.3.20~5.20
時間:10:00~18:00(金・土20:00※4/26~5/5は20:00まで)
ワタシの鑑賞日:平成31年4月20日(土)10:30~11:15(鑑賞時間45分)
【京都展】京都国立近代美術館(岡崎公園内):2019年6月14日(金)~7月28日(日)