アート番長まりもが行く!アート鑑賞日記

ワタシにとって“アート”とは「美しいもの」と同義語。すなわちこのブログはワタシが日々目にした美しいもの=“アート”の鑑賞記録です。

千葉市美術館『ミュシャと日本、日本とオルリク』見どころと混雑状況

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▲会場入り口の様子です
《鑑賞メモ:混雑情報など》
会期も終盤の土曜日午後の鑑賞です。ミュシャが千葉に来てるのですからやはり行くしかありません。渋谷の『みんなのミュシャ』展は激混みでなかなか作品に近づくのが大変でしたが、千葉は大丈夫です。もちろん、ミュシャですからガラガラということはありませんが、『ジスモンダ』『ハムレット』『モナコモンテカルロ』…好きなだけ近づいてその線の美しさを隅々まで堪能できました。交通の便の関係で千葉以外の方はなかなか行く気になれないかもしれませんが、ミュシャ好きの方は是非、お越しください。満足できると思います!

 

《ワタシの感想》★★★★★
渋谷の『みんなのミュシャ』展はミュシャの作品とその影響を受けた後世の作家たちの絵画を集め、その影響が今日まで続いているさまを明らかにする展覧会でしたが、千葉市美術館のこの展覧会は、アルフォンス・ミュシャ(Alfons Mucha 1860–1939)に加えて、ミュシャと同じチェコ出身で、来日して浮世絵版画の彫りや摺りを学び、帰国して多くの後進を木版制作に駆り立てたエミール・オルリク(Emil Orlik 1870 –1932)を同時に取り上げ、19世紀末ヨーロッパを席捲したジャポニスム(日本趣味)が彼らに与えた影響と、逆に、彼らから影響を受けた日本の作家たち、さらにはオルリクに木版画を学んだドイツ語圏の作家たちを取りあげ、日本とヨーロッパの絵画における影響の与え合いを体感しようという趣向です。
 そのため、展示は琳派、浮世絵から始まります。酒井抱一や浅井忠、神坂雪佳から北斎富嶽三十六景『神奈川沖浪裏』や『凱風快晴』もありました。見ていると確かに琳派の意匠はミュシャのデザインに通じるものがあるように思えてきます。
 それにしても出だしからすでにかなり贅沢です。この辺は千葉市美術館のコレクションを中心に構成されており、千葉市美術館ならではの展示という自信を感じました。そして展示はチェコジャポニスムへと進み、いよいよミュシャです。『ジスモンダ』『ハムレット』『モナコモンテカルロ』等々、有名な作品が並びます。じっくり鑑賞。線の美しさにうっとり。今回のミュシャの中では『羽根』『桜草』が私の一推しです。女性の髪の流れやドレスの流れの美しさに見とれるばかり。 その次のコーナーではミュシャの作品とミュシャから影響を受けた日本の作家の作品の展示です。『みだれ髪』藤島武二三越呉服店のポスターの杉浦非水、樋口五葉などが並びます。ミュシャの影響を随所に感じながら、展示はオルリクとオルリクに触発された作家へと続きます。
 渋谷の展示ではミュシャ→日本への影響がクローズアップされていましたが、この展覧会を見ると日本→ミュシャという流れも見えて、よりミュシャを立体的に感じられるようになりました。地方の美術館ですが、さすが千葉市美術館ならではの企画だ、と自慢に思える内容だったと思います。
 余談ですが今回の展示で今まで知らなかった作家の中で織田一麿、タヴィーク・フランチシェク・シモン、ヴォイチェフ・ブライシク、ヴァレンティン・ヘルディカの作品が素敵で、気に入りました。彼らを知ることができたのも収穫でした。これからチェックしてみたいと思います。

 

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▲チラシです。

 

 《開催DATA》
場所:千葉市美術館(最寄り駅:JR千葉駅より徒歩20分※バスもあります)
会期:2019.9.7~10.20
時間:10:00~18:00※入場は17:30まで(金・土20:00まで※入場は19:30まで)
ワタシの鑑賞日:令和元年10月5日(土)15:20~16:40(鑑賞時間80分)

 

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▲撮影コーナーで撮りました